絵本でこころをチャージ
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たかいそらさん

 

一枚の絵

あみと、けんにいちゃんは、とても なかのいいきょうだい。 あみは5さい けんにちゃんは14さい パパ ママ  けんにいちゃん あみの4人家族です。

それから、歩いてすぐのところに、おじいちゃんとおばあちゃん、 そして、「ばーば」と呼んでいる ひいおばあちゃんが住んでいます。 ばーばは、今年で95さい になります。

ある日、ばーばとあみは、ばーばのおうちのイスに腰かけて、 そよ風の中、ひなたぼっこをしていました。

 

ばーばは、あみに やさしく話をはじめました。 「あみ、ばーばはね、ずっとずっと昔から、 ある一枚の絵を描きつづけてきたのよ。  

それでね、その絵を持って、そろそろ旅に出かけるかもしれないのよ。

それを聞いたあみは、びっくりして、 「けんにいちゃんにしらせなきゃ!!」と イスからとび降りて かけだしました。

家につくと、けんにいちゃんをみつけ、いきをきらせて言いました。

「けんにいちゃん、たいへん!!   ばーばが一枚の絵をもって、旅にでかけちゃうんだって・・・。」

けんにいちゃんは、 「ばーばは、あの話を あみにしたんだな。」と、 あみをやさしくだきしめて言いました。

「あみ、ばーばは まだ、旅には出かけないよ。  

それより、ばーばのその絵がどこにあるか、あみはまだ知らないだろう」

あみは、「うん」とうなずきました。

「じゃぁ。 その絵がどこにあるか ばーばに聞いてみようか。」

けんにいちゃんは、あみの手をにぎって、ばーばのおうちへ いきまし た。

ばーばは、まだイスにすわってひなたぼっこをしていました。

あみは、ばーばがどんな絵を見せてくれるのかと、ワクワクしながら聞 きました。

「ねぇ、ばーば、さっき言ってた絵 どこにあるの?  あみ、その絵が見たいよぉ~。」

 

ばーばが、いつ、どこで、そんな絵を描いていたのか見たこともなかっ たので、 あみは見たくてたまりません。 「みせて、みせて。」

ばーばは、あみに、やさしく言いました。

「あみ、その絵はね、ばーばにしか見えないのよ。」

あみは、不思議そうな顔をして、 「ばーばにしか?」と聞きかえしました。

 

「そう、ばーばにしかよ。なぜなら、その絵は、ばーばの心の中に あるからよ。」

「えーでも、あみ みてみたい。」

「それじゃ、少しだけ、ばーばの心の中の絵を、ここに描いてみるわね。」

「その絵はね。よーくみると たくさんに分かれていて、 パズルのようにできているのよ。」

ばーばは、あみにも わかるように大きな紙にパズルの1ピースを描き始めました。

「あみね、人はみな年をとると一枚の絵を持って旅に出るのよ。」  と、ばーば。

 

「え~、一枚だけで、さみしくないの?」

「そうよ、だからさみしくないように、明るく楽しい絵にしておくのよ。」

 

「絵ってね。  思い出のことよ。」

「ふ~ん。」あみは ばーばの顔をじっとみつめていました。

「あみも、そのうちあみだけの一枚の絵を描きはじめるんだけど、そこには、ばーばも描いてくれる?」と、ばーばが聞くと、 「うん」とあみは とてもうれしそうにほほえみました。

それから、半年。

元気だったばーばは、とつぜん、一枚の絵を持って、 とおく夜空でかがやく星へと 旅立っていきました。

 

その星は、いつも あみとけんにいちゃんを みまもっているのです。